第4章 四元一体養生の原理(心、技、体、気の養生法)

「自然治癒力発毛法」という養生法を開発以来、発毛ドックにおいて実践、わずか「3ヶ月」の実施期間で99%という驚異的な好結果が得られています。
 この養生法は、「四元一体養生の原理」(4の1図)という基本的な原理があり、この原則に従って実施し、個々の細胞の活性を取り戻し、毛髪の生成を促します。
 「四元」とは心・技・体・気を表し、簡単に説明すれば次のようになります。
 「心」とは、心の持ち方、在り方をカウンセリングし、精神面から養生します。
 「技」とは、頭皮、毛髪の部分的な養生をする技術と処置です。
 「体」とは、頭皮を含めた生体の生理機能を正常に導く為の養生です。
 「気」とは、天地空海と生命体の持つ気をひとつのエネルギーとして解釈し、善なるものは吸収し、害なるものは排除する環境面での養生です。
 この四つの養生法が一体になって「体の真の健康を取り戻し、毛を生やす」という結果を生み出すのです。

「心」の養生法 こうすれば生える・心の在り方と脳、神経

(1)快感神経が毛髪を健康に成長させる
 快感は大きく分けると「心で感じる快感」「体で感じる快感」そして、これらの学習機能によって育てられる「予測の快感」です。
 人間は感情の動物と言われるように、例えどんなに悲しみや苦しみの境遇に置かれていても、快感さえ見出す事が出きれば生きて行くことができます。「小さな幸せ」という言葉がありますが、他人から見ればどんな些細な事でも、本心にとっては最高の幸せを感じ、生きがいを持っている人がいます。しかし、逆に誰が見ても、裕福で幸せそうに見える人が快感を持てずに、自らの命を絶つ人もいます。
 快感とは限りのないものであり、人それぞれの思考、物事に対する価値観、知性、品性によっても異なるもので、定規で計れるようなものでもありません。
 この快感のメカニズムはどこにあり、どのようにして生まれるのでしょうか。
 本来、脳は巨大な神経網の塊で、それぞれの神経のラインが複雑に絡み合って情報を交換し、心を形成していますが、先に述べた視床下部と脳脊髄神経を大まかに縦のラインに例えれば、視床下部と大脳辺縁系、あるいは大脳辺縁系と前頭連合野の脳神経ラインは横のラインと言えます。
 この横の神経ラインに当る無髄神経という神経がありますが、そのひとつに中脳皮質ドーパミン作動神経、つまり「快感神経」があります。
快感神経は脳幹の中脳から視床下部、大脳辺縁系、大脳新皮質、前頭連合野と連なり、相互間の情報を伝達し合い快感が生まれるのです。
ホルモンの中で「脳内ホルモン」と言われる「ドーパミン」と「β・エンドルフィン」は、快感をもたらすホルモンとされ、2つのホルモンは脳の中で脳神経細胞が自ら生産している特殊な働きを持つホルモンです。
 「ドーパミン」は意欲のホルモン、活力のホルモンとも呼ばれ、生命を維持し活動させる為に前頭連合野から分泌される興奮刺激伝達ホルモンで、交感神経に達し脳神経間同志で興奮刺激を伝達し、更に自己再生機能を高め、細胞分裂を活性化する働きをします。
 科学構造が覚醒剤と酷似し、その作用も同じ事から「脳内覚醒物質」とも呼ばれ、快感ホルモンと呼ばれる根元はここにあります。「ドーパミン」が適度に分泌されると「良い気分」の状態になり快感が得られ、利用の仕方によってはとてつもない力を発揮したり、人間の超能力を引き出す根元にもなるのです。
 もうひとつの快感ホルモンは、「β・エンドルフィン」で、喜びのホルモンとも呼ばれ、その科学的構造から「脳内麻薬物質」とも呼ばれています。
 希望に満ち溢れている時や幸福感、満腹感に満たされている時に分泌され、モルヒネと構造と作用が酷似し、痛み、苦痛を抑制し、快感と陶酔感をもたらし、一種の麻酔作用を起こしますが、自然治癒力を強化するという我々にとって非常に大切な働きもあります。
 円形脱毛症、全頭脱毛症、全身脱毛症を治療する方法のひとつとして、免疫機能の正常化ということを挙げられますが、特に「β・エンドルフィン」には免疫細胞のひとつであるナチュラル・キラー細胞を強化する作用があり、有効に使えば、これらの脱毛症の養生もできるという事です。
 そしてもうひとつの働きは老化の防止が挙げられます。退化現象のひとつである脱毛症も「β・エンドルフィン」を上手に使いこなせれば、自然治癒力を体内から強化し、毛髪の退化も妨げるという一石二鳥の働きがあることに違いありません。
これらの快感ホルモンと快感神経をうまく働かせるポイントは、「心の在り方」が大切な事で、常に「プラス思考」を持つ事で改善されますが、その前に「業を捨てる」つまり、「自我の没却」が必要となります。


(2)不眠症の対策
  発毛ドックに来る人達の中には、「寝付きが悪い」「眠れない」「眠っても夜中に何度も目を覚まし、寝た気がしない」「夜中に目を覚まし、そのまま朝まで眠れない」など、不眠を訴える人が多くいます。
  髪の悩みが昴じるとこの様になってしまうのですが、更に悪化すると神経の疲労が重なり、「神経衰弱」や「ノイローゼ」となって表れ、本人にしてみればとても辛い症状となります。
  こういう時は、寝つきも悪く、眠ろう、眠ろうと思うと余計に目が冴えて眠れなくなってしまうもので、やっと眠れたかなと思っても少しの物音で目が覚めてしまいます。
  常に、眠ったという実感がないものですから、日中は睡魔に襲われ、頭が重く、ぼんやりとしている事が多く、体がだるく、何もやる気が起きない、集中力が無くなる、食欲が起きないなど、多様の不定愁訴となって現われ、長い期間には「このまま眠れなくなってしまっては」と、死の恐怖さえ抱くようになり、周囲の人達まで巻き込む場合もあります。
  私の場合は、少しの物音にも反応し、目を覚まし、妻に対して「静かにしてくれ、眠れない」と、夜毎訴えるようになってしまったのですが、以外や妻からは「何言ってんのよ、いびきをかいて寝てたじゃない」と言われる始末で、父親に話したところ、「眠れなくて死んだ人は一人もいないのだから心配するな、本当に眠ってなければ例え、頭の上を鉄砲玉が飛んでようと、戦車に乗ってようと絶対に眠ってしまうもんだよ」と言われ、戦地での不眠不休による強行進軍の話を聞かされました。
  この話から大分、気持ちが楽になり、日中は「徹底して体を動かし、大汗をかく」という目標を立て、毎日、仕事の合間を見計らっては土方をすることにしました。畑だった土地を地ならしして、駐車場作りを行ないましたが、不眠症は土方を始めて2〜3ヶ月で治ってしまったのです。
  不眠症には、睡眠薬や精神安定剤は必要ありません。体を使って大いに汗をかき、体に疲れが残るようにしておけば、寝床に入ってから何も考える余地もなく、すぐに寝付き、しかも朝までぐっすり眠れることを身を持って体験したわけです。不眠症は、以外と眠れないという思い込みもあるという事も心得て下さい。


(3)悩み、苦しみ、心の整理
1.悩みはいつも堂々巡り
 毛髪の悩みは傍らから見れば、無関心に等しい事なのです。
 本人にすれば至上の悩みとなり、ああだ、こうだと一晩中考えにふけっていたらとうとう夜が明けてしまったという事が度々起こります。その都度冷静に回顧してみると、「なんだ、実に馬鹿馬鹿しい事を考えていたものだ」となるのですが、何かのきっかけで再び振り出しに戻るという、堂々巡りになります。しかし、この程度の悩み事は誰にでもある事で、極く普通の人の悩みと同じですから、深みに嵌まる前に、しっかりとした内容で実施している「発毛システム」へ行って相談するとか、行きつけのヘアサロンに相談すべきで、まず行動に移す事が大切です。そうなる事によって「案ずるより生むがやさし」の諺どうりになります。
 そして、「出ぬバケモノに恐れるな」という事も頭に入れて行動を開始することです。

 2.悩みや苦しみは親に話すことが最良の策
 神経症やうつになっている時は、このような事を人に言うと笑われるのではないか、馬鹿にされるのではないか、という強迫観念が先に立ち、人に話すどころか、人と会うのさえ嫌になります。しかし、人に話す事によって気が楽になるという事は確かなことで、
 そのような時には、親に話すのが最良の策です。ややもすると、現代の若者達はこんな事を話してもどうせうちの親達にはわかってもらえないだろうと、のっけから親を軽視する風潮があります。しかし、親は貴方をこの世に誕生させた、紛れもない唯一の関係者なのですから、真剣に悩みを聞いてくれるし、裏切りもありません。親によっては毛髪の事にさっぱり無関心の人がいることもありますが、腹を割ってじっくりと話せば、何がしかの最良策を考えてくれるはずです。
 親に分かってもらえなければ、血を分けた兄弟もいるでしょう、ある程度の歳になっていれば妻もいるでしょう。間違ってもテレビのCMなどに惑わされず、何が本物かを見強め、「禿を食い物」にする虚構の族にだけは、相談はしないでほしいものです。
 
 3.苦しい時は楽しかった事を思い起こせ
 これは、神経症に苦しむ、私の心情を察して父が常に助言してくれた言葉です。しかし、そうは言われても頭の中は強迫観念に支配されていますから、最初のうちはどうすれば良いのか、その糸口すら見つからず、悩みました。そうしている時、ベンチャーズのレコードが目に付き、何気なく針を下ろしてみました。目いっぱいボリュームを上げ、聞いているうち、若い頃の自分の姿を思い出したのです。
 あの頃は若かった、何の苦しみも無く、前進あるのみで後を振り向く事のない自分のイメージがくっきりと意識され始め、快感神経が刺激され、ハッピーな気分とやる気が生まれたのです。

 4.不安神経症にかられた時はどうすれば良いか
 不安神経症の初期はその前触れもなく、心臓が動悸したり、呼吸が苦しくなり、不安感は半端でないのが特長で、その為に外出するのが非常に苦痛になります。
発症したらまず、コップ一杯の水を飲み、腸の中心にある神経叢に「気」を集めるつもりで大きく咳払いを数回行います。一回で効果がなかったら、三回繰り返して下さい。大抵の場合は、これで心臓の動悸も治まってきて、不安感も取れてきます。
それでも駄目な場合は、その場から立ち去り、何かに熱中することです。
そのような時、ゲーム機等を利用しようと連想する人がいますが、これは止めて頂きたいのです。
無言で、機械物に嵌るという事は、現実回避の要素が強く、空想の世界に己を置くことになる為、次から次へと夢の中をさまようような錯覚に陥り、症状を更に悪化し、先に述べたような弊害も起こることもあり、徒らに交感神経を苛立たせる事になります。

5.不安神経症の究極の回避法
長い間、不安神経症を患っていると、発症のタイミングが凡そ把握できるようになります。日中仕事に夢中になっている時は発症しにくく、あまり気の進まない所へ行ったとか、気の向かない事をしてい時に発症し易く、特に就寝時の眠り際や夜中に夢を見たりして、目が覚めた時に発症する事が多いことも判ってきました。
体温を計ってみると35℃以下になっていることが多く、もしかすると神経症は体温にも影響されるのかも知れないと自分なりに解釈し、発症すると手、足をマッサージしたり足の裏を叩いたりして末梢の血行を促し、体が温まってくるまで行うといつの間にか、気持ちが治まり、動悸や息苦しさがなくなってきます。
そこで、発毛で実践していた半身浴を改めて見直しました。
39℃前後のぬるま湯で1時間以上入浴するようにしましたが、半身浴の催眠効果と精神安定効果は実に素晴らしいもので、夜はぐっすり眠れ、ほとんど夢も見ません。従って、発症もしなくなったのです。
発毛ドックに来る人で、精神的な要因を持っている人は安易に精神安定剤や抗うつ剤を服用している人が多く、そのような人には半身浴を徹底して指導し、薬物を用いることなくこれらの要因をもつ脱毛症を改善しています。

以上、私の体験上得た神経症の対策法の主なものを挙げましたが、まだ他に効果のあった対策法がありますので、以下ポイントのみを挙げます。
○頭はなるべく使わず、体を使って良い汗かこう。
○寝る前は刺激的なテレビや本を見ないこと、見るなら四コママンガが良い。「クレヨンしんちゃん」や「コボちゃん」「カリアゲ君」などがお勧め。
○休日まで働くべからず、休日はフィトンチッド効果を求めて森林浴が良い、それが無理なら、なるべく自然に親しむこと。
○これはできぬ課題になるかもしれないが、「早く開き直る」事が必要、たかが毛(80%)されど毛(20%)くらいの比重で考えるのが良い。
○早寝、早起きが意外と効を奏する。それが無理なら温足浴をして昼寝をするのも良い。
○タバコを減らす。
○酒によって紛らわすと、酔い覚めの冷えと空しさというリバウンドを味わう事になる。
(4)無(ゼロ)の基点
  脱毛で悩んでいる人達の心理を分析し、適切な思想の分岐点を見つけ出してあげるのが、カウンセラーとしての大切な役目ですが、唯、漠然と「マイナス思考はいけません、何事もプラス思考で促えて下さい」とアドバイスしても、どこがゼロの基点でプラス思考なのか、何を促えてマイナス思考なのか、お客様は迷ってしまいます。
 毛髪で悩んでいる人達は、総てをマイナス思考で促え、不安の要因を抱えています。
 毛髪の不安、家庭の不安、社会の不安等々、あると思いますが、これらを取り除いて、現状を無(ゼロ)の基点にしてあげることが、カウンセリングの重要なポイントになり、そのポイントの究極となるものが、「生きているだけで、何が不足なんだ」という言葉で、 この意味を簡単に説明すれば、今、こうして己が存在しているという事は、太陽があり、酸素があり水があり、食があり、そして先祖があり、親があるという、紛れもない事実によって生かして頂いているということです。
 人間、元気な時、何の悩みもなく希望に燃えている時は、物事を大きく、長いスパンで促えていますが、一旦、不幸のどん底に落ち込むと、小さなことにこだわり、一方づいた感情が支配し、小さな幸を見落としたり、大切な事も見失ってしまうものです。
 このような時、この言葉を繰り返し自分に言い聞かせていると、今、自分が生きている事を自覚します。そして、心の基点が無に近づいていますから、生きている事に感謝する心が生まれます。感謝の心は必ず快感につながりますから、毛髪の悩みも薄れ、快感神経が目覚め、ドーパミン、β・エンドルフィンの分泌を盛んにし、身も心も毛髪も活気づいてきます。


「技」の養生法 頭皮を健康にして発毛を促す

 本書の冒頭で述べたように、頭皮は人体の中で最も「廃用性萎縮」の起こり易い組織で、この事が即ち、男性型脱毛症の大半の要因となる「一代退化現象」の基因になっています。又、円形脱毛や全頭脱毛、その他の脱毛症も患う期間が長くなれば、この基因によって症状の悪化を加速し、難治な脱毛症となります。
 廃用性萎縮は、その組織を動かすことによって防ぐことができますが、頭皮は、自らの意思では可動しません。従って、外部から何らかの力を持って動かす事が必要となり、この条件が頭皮を健康にして発毛を促す基本となります。
 頭皮を健康に導く為、幾多の施法を発案し試した結果、自然発生物の人体に施すものは人間の手指にかなうものは無しという結論に達し、現在まで「発毛ドック」で実践して高い発毛率と評価を得てきた「発毛○秘術」を公開致します。

 人間が無意識のうちに行う行動は、その時々の生体の変化を表します。例えば、胃や腸の具合が変だと思うと体が前かがみの状態になり、調子の悪い部分に手を当て、胃や腸をいたわるように手のぬくもりを伝え、更に摩ったり押したりして回復を計ろうとします。この行動は誰から教えられたものではなく、自然治癒力を強化しようとする本能的なものであり、「按摩」「マッサージ」の発想の原点となります。
漢方では、人体には「気血」の流れというものがありその流れが滞れば病気になるとされ、「気の通り道を経絡といい、12種類の経脈(正経)と任脈、督脈など8種類の奇経に分けられ人体内部の臓器等と体表が連なっています。
「経絡」上の特徴を持った反応点を「経穴」(つぼ)といい約720あり、体調が崩れたり病になったりすると、「経穴」が腫れたり押すと強い痛みを感じて異常を知らせ、未病を感知したり、治療したりできるという特徴を備えています。
本来は、全身に及ぶ経絡に沿って経穴を指圧することが理想ですが、頭部周辺に及ぶ経穴を指圧することによって、頭皮、生体にもその効果を与えることができます。
督脈に係る「百会」は有名な発毛の経穴ですが、次に臓器、生体機能に関連する頭部及び頸部の経絡を示します。
1.手小腸三焦経〔体温の調節〕
2.手陽明大腸経〔大腸の機能〕
3.手太陽小腸経〔小腸の機能〕
4.足陽明胃経〔胃の機能〕
5.足太陽膀胱経〔膀胱の機能〕
6.足小腸胆経〔胆のうの機能、側頭部、肩、体側部の機能〕
7.督脈〔各経絡とのバイパスの役割を果たす〕

 人体からは8μ前後の遠赤外線が発生し、その総熱量は100Wの白熱電球の発生する熱量に近いと言われ、最近の研究では低周波、静電流、イオン流、磁気も発生することが解明されています。
 これ等の波動エネルギ−は、手掌、指先と末端に近づく程根強く、また鍛錬によってもその集中度を増し強化することができ、「按摩」「マッサージ」「指圧」は単に摩る、揉む、叩く、押すという物理的な技法の効果だけでなく、この波動エネルギーの効果も加わり生体機能を活性化し、発毛、育毛に寄与します。

次ページへ